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2021年度新入社員は、過去5年間と比較してうまく気持ちを切り替え、周囲と助け合うことでテレワーク下のストレスに順応できる可能性が高い傾向

2021年03月29日
株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメント
代表取締役社長 鳥越 慎二
(東証第一部 コード8769)

株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントは、適性検査「アドバンテッジ インサイト」を2020年3月~8月末に「新卒」区分で受検した全サンプルより500サンプルを無作為抽出し、その傾向を調査いたしました。

「アドバンテッジ インサイト」は、従来の適性検査が測定してきた知的能力やコンピテンシーに加え、「ストレス耐性」や「EQ能力」まで測定する検査です。当検査は10年以上の提供実績があり、現在の受検数は年間約6万件です。このたび5か年で結果傾向を比較し、2021年度新卒採用の特徴について考察しました。

 

■「アドバンテッジ インサイト」結果のポイント

 

①「EQ能力」

「感情をうまく管理し、利用できる能力」であるEQ能力は、この5年間でほぼ横ばい。

ただし、EQ能力を形成する4つの能力(4ブランチ)を見ると、「その場・状況にふさわしい気持ちになる能力」を指す「感情の利用」が大きく上昇しており、ここ5年間で最高値となっている。

 

②「コンピテンシー」

「成果に結びつく行動特性」であるコンピテンシーは、19卒から上昇傾向。

なかでも21卒では、「ビジョン創出力」「困難克服力」「コミュニケーション力」が上昇している。

 

③「潜在的なストレス耐性」

「ストレスを強める特性(リスクパターン)」「ストレス対処方法(コーピング)」「ストレス緩和力」の3要素で構成される潜在的なストレス耐性は、19卒から全体的に緩やかな上昇傾向。

21卒では特に、「ストレス緩和力」のうち「周囲からのサポート」と「自己効力感」が上昇している。

*詳細は後述。

 

適性検査「アドバンテッジ インサイト」とは https://www.armg.jp/business/insight/

入社後の環境変化に対応して高いパフォーマンスを発揮できる人材に求められる特性を測定する検査。

主にEQ能力、コンピテンシー、潜在的なストレス耐性を測定しており、保有能力だけでなく行動力を伴った人材、ビジネスにおいて大切なストレスに対する強さをもつ人材等、求める人材像をさまざまな指標から数値化/可視化して見極めることが可能です。

さらに当社では、「アドバンテッジ インサイト」の結果を用いて若手社員のストレス耐性を高める、「ストレスマネジメント力向上研修」を提供しています。当研修の受講者は事前にWeb検査を受検し、現在のストレス状態や、ストレスを感じやすい性格傾向、ストレスに対処する力、ストレスを緩和する力などを測定します。研修ではストレスに関する基礎知識をはじめ、検査結果から自身のストレス耐性の特徴を知り、自身の特徴に合った対処方法を学ぶことで、ビジネスにおけるストレスにしなやかに対応できる人材を育成します。

なお、当社がこの春から展開するDXプラットフォームでは、従業員の心身の健康データや、勤怠、休業・復職等などの人事労務 情報を集約し、分析することができます(順次機能を搭載)。「アドバンテッジ インサイト」の結果と各種データを紐づけ、入社後の育成や人事管理(タレントマネジメント)に活用することで、組織の活性化にも寄与します。

*「アドバンテッジ インサイト」の無料サンプル受検も受付中です。お気軽にお問合せください。

 

■結果のグラフ

<総合>

 

 

<EQ能力詳細> 

EQ能力は「感情をうまく管理し、利用できる能力」を指し、コミュニケーションの基礎能力とも言われます。

当検査では、総合的なEQ能力に加え、EQ能力を形成する4つの能力(4ブランチ:感情の識別、感情の利用、感情の理解、感情の調整)を測定しています。

特に上昇傾向が見られた「感情の利用」は、その場・状況にふさわしい気持ちになる能力を指します。スコアが高い人は、効果的な問題解決や、創造性を発揮するために、どのような感情を作り出せば良いのかを知り、実際にその感情を作り出す能力を備えている傾向があります。

 

(参考:その他項目の解説)

・「感情の識別」:気持ちを読み取る能力。スコアが高いと、相手の表情から、その人がどのように感じているかを正しく読み取ったり、 その場の持つ雰囲気を的確に認識できる傾向がある。

・「感情の理解」:気持ちの原因や未来を予測する能力。スコアが高いと、相手がなぜそのように感じるのか、感情の起こる原因を正しく理解でき、ある状況が起こった時には、相手がこのように感じるであろうと推測できる傾向がある。

・「感情の調整」:気持ちをともなって実行する能力。スコアが高いと、感情的になった場面でも問題解決への最善行動が何かを考え、最も効果的な行動を取ることができる。対人関係を維持し、対人問題を解決するために、相手や状況に応じた最善な行動を取る傾向にある。

 

<コンピテンシー詳細> 

成果に結びつく行動特性の発揮度合いに対する自己認識を測定したものです。

最もスコアが上昇した「コミュニケーション力」は、他人の話に耳を傾け、自己表現が適切にできるという認識が強いことを指します。つぎにスコアが上昇した「困難克服力」は、「困難な物事に直面したとき、めげずに問題解決のための行動を取る力」を指し、スコアが高い人は、強い精神力を持ち、失敗や挫折からの立ち直りが早い傾向があります。続いてスコアが上昇した「ビジョン創出力」は、「自律的に行動し、目的や目標を明確化する力」を指します。スコアが高い人は、主体性を発揮して自分の進むべき方向を明確にしたり、積極的に新しい知識を習得したり、新しいことへ挑戦したりする傾向があります。

(参考:その他項目の解説)

・「現状認識力」:的確に状況を把握し、適切な判断をする力

・「達成行動力」:目標に向かって自発的に取り組み続ける力

・「自己管理力」:自分の感情をコントロールし、物事に冷静に対処する力

・「人間関係構築力」:思いやりを持ち、積極的に他者と協同する力

・「組織適応力」:組織風土や慣習を感じ取り、相応に行動変容する力

 

<ストレス緩和力詳細>

ストレス緩和力は、自分自身の能力に対する自信や、他者からのサポートをどの程度得られていると感じているか等、ストレスが生じても和らげる力を指します。

今回、特に上昇がみられたのは「周囲からのサポート」で、周囲の人からサポートを受けられていると感じていることを示します。また、この他にスコアが上昇した「自己効力感」は、自分の能力や技量への自信を指します。スコアが高い人は、自分の行動や能力に自信を持っていることから、前向きな気持ちで物事に取り組む傾向があります。

(参考:その他項目の解説)

・「周囲との調整力」:様々な対人場面で円滑に物事を行っていく力

・「安定性」:危機的状況でも精神的安定を保つ力

 

■考察 ~21年度新卒採用における学生像とは~

学習指導要領が個人の能力や個性を重視する方針にシフトした、いわゆる「ゆとり教育」を受けた世代の「ストレス耐性」が懸念されていた数年前と比較し、21年度新卒採用において「感情の利用」や各種コンピテンシー、ストレスを緩和する力のスコア上昇が見られた要因は、対面コミュニケーションが極端に少ない学生生活や、過去の知見が通用しないコロナ禍での就職活動等で、必然的に気持ちの切り替えが必要となる場面が増えたこと、およびこの難局を乗り越えたという成功体験に起因すると考えられます。

このことから21年度新入社員は、過去5年間の傾向と比較すると、入社後のテレワーク環境下におけるストレスに対しても、この成功体験に基づいて順応しやすい傾向があるかもしれません。

一方で、当社ストレスチェック結果から見た「コロナ禍における若手社員(25歳以下)」は、以前よりも、上司・同僚との関係が築きにくくなっており、やや高ストレス者が増加している傾向にあります。これは、入社年次が浅いため、そもそも社内コミュニティの形成が不十分であったところに、コロナ禍によるコミュニケーション機会の減少が重なったことで、さらに社内コミュニティ形成の難しさが加速し、結果として若手社員が孤独感を感じやすい環境が生じたことが一因と考えられます。

そのため、21年度新入社員の持つ「テレワーク下のストレスにもうまく対処できる可能性」を最大限に発揮させるためは、上司・同僚が積極的に関わる等、孤独感を感じさせないようなサポートが必要と考えられます。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメントhttps://www.armg.jp
(取材・広報に関して) 広報担当: 小林    pr-info@armg.jp