笑いあい手を合わせるビジネスパーソン

組織活性化とは?意味と取り組みのポイントを解説

Facebookでシェア ツイート
「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

近年、企業を取り巻く環境の変化から、組織内の状況も以前と比べると随分と変わってきました。そんな中で注目されているのが「組織活性化」です。今回の記事では、組織の活性化について、その意味や重要性、実際に企業が取り組むことのできる対策について説明します。

組織活性化とは

組織が活性化された状態とは、従業員が自主的に業務に取り組み、そのことによって組織全体が前進しているような状態のことを指します。また従業員同士が積極的にコミュニケーションを取り、企業や部署としての目標やビジョンを共有するといったシーンも見られるでしょう。

組織活性化が注目されるようになった背景

このような考え方が広まったきっかけにはIT化により業務が細分化され、担当者ごとに、その業務が単純に割り振られるようになったことが挙げられます。この変化により業務効率は上がったものの、従業員同士の対面コミュニケーションは減少することになりました。

皆さんの中には、チームメンバーとのやり取りはもっぱらチャットやメールだという方もいるのではないでしょうか。このようなコミュニケーションは便利な一方で、お互いの気持ちを感じ取ったり、ニュアンスを読み取ったりすることには向いていません。

また、業務が分業されたことにより個人で仕事が完結するようになり、誰かとやるより一人でやる、仕事を振るところまでで終わりなど、社内コミュニケーションが低下しています。

人事評価の面でも個人の数値目標が評価されがちなためこの風潮を加速させています。さらに、コミュニケーションの低下はセクショナリズムを生み出します。セクショナリズムとは、他部署の業務や役割はどうでもいい、協力したくないといった部署間での対立を生み出す意識のことです。

このような従業員間のコミュニケーション不足を解消し、組織全体としての成長を目指すために提唱されるようになったのが組織活性化なのです。

なぜ、組織活性化は重要なのか

組織の活性化が必要とされる理由についてさらに具体的に見てみましょう。組織が停滞していると、次のようなことが起こると考えられます。

① 従業員がいきいきと働けない
業務が分業化されたことにより個人の担当する業務範囲は明確になったように感じられますが、自分に課された業務のみをこなそうとするあまり、チームとして全体最適な業務効率化の方法を考える、新規事業などのアイデアを考えるということをしなくなっていきます。これでは毎日が同じ業務の繰り返しで、組織活性化の原点とも言える要素となる、従業員ひとりひとりのやりがいを見出せなくなってしまうでしょう。

② コミュニケーション不足
前述したように、ITツールの広がりで一見コミュニケーションが取りやすくなったと考えられますが、対面でのコミュニケーションはかなり減ってきています。従業員同士のコミュニケーションが少ないと、いつの間にか孤立しているメンバーが発生してしまうでしょう。チームの一体感もなく、仕事は刺激もなくつまらないものだと感じるようになってしまいます。

③ 離職率が高くなってしまう
人は少なからず他者に影響を受けているものです。周囲の人間がやりがいを感じず、つまらないといった感情を持っていれば、目に見えなくともネガティブな空気感が伝染してしまいます。そのような環境では、優秀な人材は自分の成長を感じられないと考えて他の企業へ転職していってしまう可能性があります。

組織活性化のポイント

それでは、組織を活性化するにはどのような対策が有効なのでしょうか。今回は、以下の方法を紹介します。

① 個人にミッション(使命感)を持たせる
企業にはそれぞれビジョンがあります。そのビジョンは社内の各事業、部署、チームに共有されていることが必要です。その延長で従業員の個人ミッションを明確にしましょう。自分の業務が企業や社会にどのように役立つのかを意識できるようになれば、モチベーションも上がっていくはずです。そのためには、チームや部署のリーダーが企業のビジョン、チームのミッションをメンバーに話し、理解させることが不可欠です。

② コミュニケーションの活性化
多くの企業で従業員同士のコミュニケーション活性化として、チームでのランチ会や部署での打ち上げなどを行っていることでしょう。しかしこのような取り組みは期待しているほど効果が出ないことも多いです。そこで、日々の業務の延長線上として捉えやすい、社内SNSやゲーム型研修などの実施が有効だと注目されるようになっています。このような方法であれば複雑なスケジュールの調整も不要ですし、従業員は自然にコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

③ 新人の育成
組織に新しい人材が入った際にも活性化します。とくに新人の育成担当となった場合は自身の業務を見直すきっかけになり、他メンバーとのコミュニケーションも発生します。新卒のメンバーを迎え入れて育てていくことは組織によい影響をもたらすのです。

その他にも、最近では業務で新しいITツールを導入した際に知見のあるメンバーをリーダーとし、現場での活用を進めていくという方法もあります。そうすれば自ずとツールの使い方についてのコミュニケーションが増えますし、リーダーに選出された人は使命感も芽生えるでしょう。

まとめ

近年のIT化は、業務効率を上げた一方で従業員間の対面コミュニケーションを減少させる原因ともなりました。今回は、コミュニケーションが少なく停滞しつつある組織を活性化するために、企業が取るべき対策をいくつか紹介しました。組織の活性化をミッションとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

(Visited 12,994 times, 1 visits today)

【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

この著者の記事一覧

Facebookでシェア ツイート

関連記事RELATED POSTSすべて見る>>