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【振り返り】が重要! 「GLTD制度」導入から安定的な制度運営に向けたポイント

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

GLTD制度は性質上、一度導入すると簡単に辞めにくい制度です。また、会社が費用負担する制度のため、費用対効果などの継続的な振り返りが大切です。任意加入の周知活動の見直しや保険金給付状況などを定期的に把握することで課題が見つかり、制度運営の安定や発展につながっていきます。

本記事では、どのようなポイントに着目し、GLTD制度の振り返りを行えばよいかについて解説します。

GLTD制度の立ち上げ方

導入が決まり、GLTD制度を立ち上げる際は人事部や関係各所が制度構築に力を注ぎ、成功に導くために様々なことを行っていきます。

GLTD制度の立ち上げで最も重要なポイントは、【会社のメッセージ】と【制度内容】を正しく従業員に伝えきることです。結果として高加入率(=支持率・社員満足度)となれば人事部門の皆様はGLTD制度が多くの従業員に評価されたと一安心されることと思います。

しかしながら、この加入率はあくまで一つの指標であり、制度の理解度や従業員の声がフィードバックされなければ「制度は浸透したか?」という点には疑問が生じます。

そのため、周知結果のフィードバックを基に、次年度に向けた取り組みを検討・実施し、PDCAサイクルとして回すことが極めて重要になります。

リンク:自動更新で大丈夫?知っておきたいGLTD制度の進化と補償内容の確認

振り返りの重要性

PDCAサイクルを回しながら制度運営を続けるためには、各施策の結果を振り返る必要があります。福利厚生制度では、「従業員の利用率」を評価指標のひとつとしますが、これをGLTD制度に当てはめると「任意加入率」になります。

多くの方の理解、賛同によって高加入率が実現しますが、そのためには従業員のGLTD制度に対する理解度や反響を定量的・定性的に分析し、次年度以降の取り組みにつなげることが重要です。

また、導入後は保険金給付者が発生します。特に注意すべきポイントは会社が契約者であるものの保険金請求は自己申告という点です。従業員自身で書類を一式準備し、保険会社へ請求することで、保険金は直接本人の口座に振り込まれます。そのため、会社側は給付実態を定期的に把握することが困難となってしまいます。

このような事態を回避するために、保険代理店が被保険者の保険金給付管理を行えるかどうかが重要となります。この管理を行うことにより、代理店に情報が蓄積され、傷病者発生状況や休職者傾向分析・保険料に対する受給実績、費用対効果の検証が可能となります。

従業員からの認知度向上に向けた施策検討、受給状況の実態把握を行うためにも、GLTD制度の定期的な振り返りはとても重要です。

GLTD制度導入後の振り返りポイント

ここでは、GLTD制度を実際に振り返るためのポイントとして「加入状況」と「受給状況」について解説します。

・加入状況を確認

「任意加入」部分の加入者の状況を把握する上では、性別や年齢、部署といった基本的な情報に加えて、未加入者の数や、未加入の理由を確認し、訴求すべきポイントを明らかにする必要があります。

例えば、働き盛りの世代の加入率は高いが、若年層の加入率は低く、未加入の理由として“必要性を感じていない”が多かった場合、次年度以降、「若年層で“必要性を感じていない”と回答した人に向けた施策を検討する必要があります。

このように、加入状況を振り返ることで、GLTD制度の浸透具合や認知度を測ることが可能となり、さらに次年度以降の施策を検討する上で重要なデータとなります。

・受給状況を確認

保険料に対する保険金の受給実績や理由を把握することにより費用対効果が示せます。また、被保険者への保険金受給管理を適正に実施している保険代理店からのデータ提供により、同業種・同規模の団体との対比も可能となるため、客観的に自社の状況を見ることも可能です。

さらに、健康経営度調査の観点からも、病状ごとの発生率・件数、受給金額や拠点別・部署別状況の分析・活用が見込まれます。

振り返りから課題を見つけ、より良い制度に改善

先述した振り返りの内容を踏まえて、課題を明らかにし、解消するための施策を実施していくことが重要です。具体例を挙げると、若年層の加入率が低い場合、新入社員研修や若手社員研修などでGLTD制度を案内する、また動画や事例を用いて就業不能リスクを身近に感じてもらうなどの取り組みが挙げられます。

また、よくあるケースとしては、GLTD制度を「単なる保険」と認知しており、関心を持たれにくいこともあります。

保険を活用した「会社の福利厚生制度である」という認識を従業員の方々に持ってもらうことが重要となりますので、他の保険との相違点をまとめて紹介したり、福利厚生制度の一つであるということを訴求したパンフレットの提供や説明会を実施したりすることが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、GLTD導入後に行うべき振り返りのポイントについて解説しました。

GLTD制度は一度導入したら終わりという制度ではありません。毎年、募集結果の振り返りや制度の定期的な見直しを行い、多くの従業員の就業不能リスクをカバーできるようにし続けることが重要です。

また、会社側が実態を把握することが難しい「保険金受給状況」を確認することで、GLTD制度導入の費用対効果をわかるようにし、社内で継続理解を得られるようにしていくことも必要となります。

より具体的な振り返り方法や、分析方法など興味がありましたら、情報収集の一環としてGLTD制度の専門代理店へ相談をしてみてはいかがでしょうか。

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
LTD・リスクファイナンス部門 コンサルタント

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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