新入社員・若手社員のメンタルヘルスケア~ストレスチェックと不調を防ぐ方法とは?

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

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コロナ禍において、若手社員のメンタルヘルスケアが課題となっています。特に新卒社員はオンラインの入社式・研修となった企業も多く、学生から社会人への意識変化や社内の人間関係が十分に構築できないまま、在宅勤務やテレワークとなっている人も多いでしょう。

若手社員が抱えるストレスに対し、企業はどう対応していけばよいのでしょうか。この記事では、コロナ禍における若手社員のストレス傾向をみながら、ストレスに対するメンタルケアや不調を未然に防ぐ方法を紹介します。

コロナ禍のストレス、昨年比較で若手社員のみ増加傾向

コロナ禍で在宅勤務やテレワークの導入が広がる中、ストレスを強く感じる割合が若手社員のみ増えていることが、アドバンテッジリスクマネジメントの調査(※)で明らかになりました。

高ストレス者の割合は25歳以下の若手社員で5%と、2019年の3.9%より1.1ポイント増加しています。一方で、26歳以上はすべての世代で高ストレス者の割合が減少しました。

コロナ禍の影響を最小限に抑えるために、多くの企業が事業継続または早期復旧を図るためのBCP対策に追われました。ストレスを感じる若手社員が増加したのは、企業が新入社員や若手社員の人材育成にリソースを割けなかったことが要因のひとつだと考えられます。

(※集計対象:2020年5月~6月、2019年5月~6月の両期間にストレスチェックを実施した47企業・団体のうち、両チェックに回答している96,386名)

コロナ禍で抱える若手社員のストレスの傾向

コロナ禍で社会や経済の先行きが不透明な中、在宅勤務やテレワークの導入による働き方の変化は若手社員が抱えるストレスの要因になっていると考えられます。

①キャリア、長期的展望が見えない不安

テレワークにより社内の動きが伝わりにくい若手社員にとって、他企業の業績悪化や人員削減のニュースが入ってくると、「自分の会社は大丈夫だろうか」と不安を抱え込みやすくなります。若手社員に影響を与えるロールモデルの存在が、リモートワークの環境下では物理的に見出しにくくなっています。自分が会社においてどう成長していくべきなのか、イメージしづらい状況だといえます。

②自己効力感、エンゲージメントの低下

テレワークで社内の雰囲気が分かりづらい中、「自分の仕事はどれほど会社に貢献しているのか」実感が持ちづらくなっているのではないでしょうか。また、相手の状況が見えづらいために質問をためらってしまうと、業務に支障をきたすだけでなく、自己効力感やエンゲージメントが低下するといった負の連鎖が生まれてしまいます。

③コミュニケーション不全

オフィス勤務時のようなヨコ・ナナメのつながりが少なくなり、狭い範囲での限定的なコミュニケーションになっています。特に新入社員は社内の人間関係が構築できる前にテレワークとなったため、コミュニケーション不全による大きな不安や孤独を感じやすくなっている可能性があります。

④自律的な働き方に対するプレッシャー

リモート環境下では、近くに上司がいないことで以前より「自律的に考えて仕事をする」ことが求められています。リモートワーク導入により、「上司にサボっていると思われたどうしよう」「これまで以上に成果を出さなければいけない」という様々なプレッシャーが若手社員にはかかっているのかもしれません。

若手社員の抱えるストレスに対するメンタルケア

若手社員が抱えるストレスに対し、企業はどのようなケアを行うべきなのでしょうか。

①会社からのメッセージを伝える

1on1など対面で話す時間を作り、会社の進む道やビジョンを管理職自らが若手社員へ伝えることが大切です。また、チームや部署など周りの人が何をやっているのか見えやすい仕組み作りも良いでしょう。

②自己効力感を持てるようなサポート

仕事を切り出す際は目標だけでなく、「なぜこの仕事をするのか」「誰にどのような形で役に立つのか」といった目的を説明することが重要です。若手社員が周囲との関係性や自律性を高められるように、声掛けなどのサポートを行うとより効果的です。

③メンターや外部カウンセラーの導入・活用

カウンセリングを受けたい若手社員に対し、メンターや外部カウンセラーが対応する相談窓口の導入を検討しましょう。カウンセリングとは、悩みや不安を抱える人の相談に乗り、助言や指導によって問題の解決を目指すことです。制度として機能するよう社内で共有し、人事部門が連携していくことが望ましいでしょう。

④レジリエンス力・自己管理能力の強化

物事を部分的に、一時的・現在的に考えられるようになると、レジリエンス力が鍛えられて、ストレス耐性がつくものです。また、体調管理や時間になったら仕事をしないなどの自己管理能力の強化も必要となります。

コロナ禍で不安を感じる新入社員や若手社員のフォローに関しては、以下のページも参考になさってください。
『今の時期におさえておきたい新入社員のフォローのポイント ~withコロナ、afterコロナにそなえて~』
https://www.armg.jp/journal/155-2/

メンタルヘルス不調を未然に防ぐセルフケアとラインケア

若手社員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐには、社員自身が行う「セルフケア」、上司や同僚、外部が行う「ラインケア」が重要です。

生活リズムの崩れや過度なプレッシャーなどから来る変調に自ら気づき、ストレスをコントロールするセルフケアには、いつもとは異なる心や体の不調を早めに周囲に相談することも含みます。そのためには、レジリエンス力の強化や自己管理能力を身につける必要があります。

ラインケアでは、上司や同僚が部下である若手社員の変調に早めに気づいてあげることが大切です。人事部や外部カウンセラーなど、第三者のサポートも活用してみてください。

また、若手社員はデジタルネイティブかつSNSネイティブの世代といえます。SNSによるコミュニケーションは他世代よりも慣れているため、オンラインを介した居場所づくりも孤独やコミュニケーション不全の解消につながります。

特に一人暮らしをしている若手社員にとっては、プライベートでもなかなか人と接する機会がなく、気軽に相談できないという人もいるかと思います。ですので、対面だけでなく、チャット機能で気軽にカウンセリングが受けられる仕組みがあるとよいでしょう。

まとめ

コロナ禍でこれまでにない大きな変化が生じる中、ストレスを強く感じる若手社員は増加傾向にあります。ストレスを抱えて悩む若手社員の早期発見やサポートは、貴重な人材の離職やうつをはじめとしたメンタルヘルス不調による休職リスクを軽減することにつながるでしょう。

今後は個人の「自立」や「自律」が求められる時代です。若手社員が仕事に対して熱意を持ち、高い意識で自律的に取り組んでもらうには、企業としても適切なサポートが必要です。社員自身が自らの思考や行動を整え、ストレスに対処できる能力の向上も重要になってくるでしょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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