※この記事は、9月10日に株式会社ディリゴ 長谷氏をお迎えした「アフターコロナの採用はこうなる!『オンラインとリアルのハイブリッド採用成功事例』」のセミナー内容を編集して配信しています。
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株式会社ディリゴ 代表取締役 長谷真吾氏
1989年同志社大学経済学部卒業。同年、株式会社リクルート入社。
当時、創業者の直轄部隊「人材開発部」に配属され偏差値60以上の高学歴新卒を1000人以上採用。
1995年「採用プロセスを科学する」をコンセプトに採用コンサルティング会社を設立し代表取締役社長に就任。2009年株式会社ディリゴを設立し採用だけではなく、教育、配属、評価などの分野にコンサルテーションサービスなど幅広い業務に携わる。
2021年卒の新入社員が入社し、早1年が経とうとしています。2022年卒の新入社員を迎える時期が近づくとともに、2023年卒の採用活動も動いています。
昨今、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業を取り巻く環境が大きく変化しました。採用活動もその変化に対応せざるを得ず、企業の担当者も試行錯誤されているのではないでしょうか。特に昨年は、この未曾有の状況に手探りの企業も多かったことと思います。
しかし一方で、手探りでありながらも、環境変化に対しさまざまな工夫をしている企業もいます。アフターコロナともいうべきこれからの採用活動、採用担当者が抑えておくべきポイントとはどのようなことなのでしょうか。採用をはじめ、その周辺領域まで幅広くコンサルティングを行う株式会社ディリゴの長谷氏が解説します。
目次
アフターコロナの採用活動の予測 ~オンラインとリアル~
緊急事態宣言が長引く環境下、採用活動においてもオンライン化が進みました。2021年卒の採用活動から2022年卒の採用活動にかけて、合同企業セミナーや個別企業セミナーのオンライン化がさらに進んでいます。学生にとっても、自宅や学校で参加できるオンラインでのセミナーを支持する声が挙がっており、その利便性や効率の良さを感じていることがわかります。
一方面接では、初期段階ではオンライン形式が多いものの、最終面接はやはり対面で実施する企業が多いといえます。2023年卒の採用活動、アフターコロナにおいても、オンラインと対面(リアル)を使い分ける「ハイブリッド採用活動」は継続するでしょう。
変わりゆく学生の就職活動
そうはいっても、長らく対面で実施してきた採用活動において、オンライン形式に対する懐疑的な声も残っているのではないでしょうか。しかし、昨今「対面(リアル)の方が良い」という考えは幻想といえるかもしれません。実際に説明会後のエントリーはオンライン実施の方が高いという結果も出ています。
2022年卒の学生は、オンライン授業も当たり前になり、非対面でのコミュニケーションに慣れています。デジタルネイティブ世代である昨今の学生はハイブリッド化への順応が早く、社風や社員の人柄もオンライン環境下で敏感に読み取っていると感じます。
しかし、オンラインにしたからといって学生に「良い会社だな」と好感を持ってもらえるとは限りません。オンライン形式を支持する学生であっても、企業が伝える工夫をしているかどうかを感じ取り、見極めているのです。企業の対応によって、評価が二極化している傾向にあります。
そしてやはり最終面接など意思決定にかかわる重要な局面においてはリアルを望んでいる声が多く挙がります。コロナ禍によって採用活動のオンライン化を余儀なくされた当初、リアルと異なり会社の雰囲気や社員の人柄が伝わりづらい、企業にとっては学生の人柄もわからないという声も挙がっていました。
これからの時代はオンラインとリアルをうまく使い分ける企業が成功していくでしょう。企業の採用活動は大きな変化の時期を迎え、「ハイブリッド採用活動」へのシフトが求められているのです。
ここで、オンライン形式において注意したいポイントをお伝えします。
オンラインでは相手に見える面積が少なく、画面から受け取る情報が限られています。よってその分、ちょっとした態度や仕草、目線などが目につきやすくなります。
対面形式よりも相手に見られているものだと意識し、所作に気を配るのが良いでしょう。「社員の態度が良くなかった」と学生にがっかりされてしまうこともあります。
まとめ
改めて、いま採用活動において変化しているポイントを整理します。
変化① オンラインよりリアルが良いというのは幻想!
学生はWebを使いこなし就活の効率化、面接対策を進めている。
変化② オンラインで採用活動を行う企業の評判は二極化している!
工夫をしていない企業は学生から酷評されている。
変化③ オンラインとリアルをうまく使い分けている企業は採用に成功している!
今後はオンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド採用がアフターコロナの採用活動成功のカギになってくる。
次回はハイブリッド採用の成功事例や、企業が対応すべきポイントについてご紹介します。