社内コミュニケーションは円滑な業務の遂行に必要なだけではなく、社員の働きやすさやモチベーションにも影響を及ぼします。良好な社内コミュニケーションを実現している会社は生産性が上がり、企業価値の向上にもつながるなどのメリットも。本記事では、社内コミュニケーションを活性化させるアイディアや成功のコツなどを紹介します。
目次
社内コミュニケーション活性化のメリット
社内コミュニケーションの不足は、チームワークの悪化や連携ミスによる生産性・仕事の質の低下などにつながります。また、コロナ禍でリモートワークをする機会が増えたことで、良好な社内コミュニケーションを実現するハードルがもう一段階高くなりました。そのため、社内コミュニケーションの活性化は注力したい課題の一つに。まずは、社内コミュニケーション活性化のメリットについて解説します。
生産性アップ
社内コミュニケーションの活性化により、情報やノウハウの共有をスムーズに行うことができます。部署間の連携も円滑に行えるようになるため、会社全体の効率性につながり、生産性アップが期待できます。
離職防止
社内コミュニケーションがうまく取れないと、意見が言えなかったり人間関係に摩擦が生じやすいため、社員のストレスの元となり、離職につながる可能性も。
社内コミュニケーションが活性化されて、個々人や部署間で良好な関係が築けると、社員は仕事がやりやすくなり人間関係のストレスも減ります。これにより、心身ともに健康な「ウェルビーイング」の状態をキープでき、仕事意欲を保ちやすいでしょう。
また、社内コミュニケーションが活性化すると、個人間の信頼関係や好感度も上がります。互いへの貢献意識が増して仕事がスムーズに流れたり、そのような仲間がいる会社への帰属意識も高まり、結果として離職防止にもつながります。
社内コミュニケーション活性化に向けたアイディア5選
社内コミュニケーション活性化のためには、全社施策として人事関係部署などが先導して取り組むことが大切です。会社が先導して社内コミュニケーション活性化を促すことで、その意識が徐々に社員に浸透していくでしょう。ここでは、会社主導で取り入れたい社内コミュニケーション活性化のためのアイディアを5つ紹介します。
社内イベントの実施
社内イベントは社員同士が気軽に交流できる場。仕事とは異なるシーンのため、雑談などが生まれやすく、共通の趣味や好きな物事を発見しやすい機会の一つです。
<社内イベント例>
・季節のイベント(新年会・忘年会・歓送迎会・お花見など)
・アウトドアイベント(バーベキュー・キャンプなど)
・スポーツ系レクリエーション(社内運動会・野球大会など)
・その他(社員総会、会社の記念パーティー、社員旅行など)
また、オンラインイベントであれば地方営業所の社員も参加しやすいなど、オフラインイベントよりも場所や時間の制約が低く開催しやすい一面も。社内イベントを実施する際には、社員からのリクエストもふまえた上で、どのようなイベントを行うのか決めていきましょう。
社内用コミュニケーションツールの導入
チャットで気軽にやり取りできたり、資料を共有できたりする社内コミュニケーションツールを導入すると、直接対面しなくても社員同士・部署同士のコミュニケーションが円滑にできます。営業など外回りの仕事が多かったり、リモートワークを導入していたり、地方営業所が多い会社にもおすすめです。
絵文字などのスタンプコミュニケーションは、比較的気軽にできるコミュニケーションの一つです。感謝の気持ちや労いの気持ちを相手に示すことができます。
ただし新人などの若手社員にとっては、上司や先輩に対してスタンプでリアクションして良いのか迷ってしまう場合も。また、スタンプコミュニケーションは関係性を構築できていない人同士(例えば、他部署でほとんど話したことがない人など)では、使いづらかったり、場合によっては相手に不快感を与えたりなど、トラブルの原因になることもあります。
そのため、社内コミュニケーションツールの導入タイミングで、TPOに応じた適切なスタンプの使い方やコミュニケーションに関する指針を示すと良いでしょう。
マグネットスペースの設置
マグネットスペースとは、磁石に吸い寄せられるように人が集まってきやすい場所を意味します。例えば給湯室や休憩スペース、コピー機周辺などです。マグネットスペースに集まってきた人同士の雑談が、リフレッシュやアイディアのひらめきなど業務にプラスの影響を与えます。
給湯室にはコーヒーや紅茶・ハーブティー・お菓子などを設置し、社員が「息抜きに給湯室に行こうかな」と思えるような空間にしたり、休憩スペースにソファなどを置いてリラックスしやすい雰囲気を演出するのも良いでしょう。ラジオやBGMなどを流したりするのも良いですね。また、コピー機周りには、会話のもとになりそうな掲示物(ランチのおすすめ店など)を貼ってみてはいかがでしょうか。
最新情報の例:「新しいコーヒーマシンを設置しました」や「社内報を掲示しました」など
1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングとは、上司と部下がマンツーマンで行うミーティングのこと。短時間のミーティングを週1回など定期的に実施します。1on1ミーティングは人事評価などが目的の面談とは異なり、部下に寄り添って悩みを聞くなどの時間として活用します。
部下にとっては自分の考えや気持ちを上司に伝える良い機会であり、上司にとっては部下の考えを知ることができる機会です。大人数の中で会話をするのとは異なり1対1で会話をするため、深いコミュニケーションが取れるきっかけになるでしょう。
社員のEQを高める研修の開催
社内コミュニケーション活性化のためには、社員個人の心持ちを変えることも大切です。そこで、注目したいのが対人コミュニケーションの基礎能力とも言われているEQ(Emotional Intelligence Quotient)。感情をうまく管理し、利用できる能力のことを指しています。
他者の感情を読み取ったり、自分の感情をコントロールしたりする能力が高い人は、EQが高いと言えます。社員のEQが高まることは、より円滑な社内コミュニケーションにもつながります。
EQは研修を通して高めることが可能なため、社員研修の一つとして取り入れてみるのも良いでしょう。
アドバンテッジ・リスクマネジメントでは、円滑な社内コミュニケーションにつながるEQを高めるための「EQ感情マネジメント力向上研修」を提供しています。全従業員向け・管理職向けなど、様々なアレンジも可能となっておりますので、ぜひご相談ください。
社内コミュニケーションを成功させるコツ
社内コミュニケーションの活性化に取り組むには、社員の気持ちに寄り添うことが大切です。活性化のための取り組みが逆効果にならないよう、次の点に気を付けましょう。
多くの社員が気持ち良く取り組めるように配慮する
コミュニケーション活性化のための取り組みは、社員への押し付けにならないように注意をしましょう。一部の社員だけでコミュニケーションが活性化し、内輪だけで盛り上がるような状況になっていないかも定期的なチェックが必要です。
また、社員にはさまざまな考え方の人がいます。例えば面と向かってコミュニケーションを取ることが苦手な人や、仕事の場でプライベートを話題にしたコミュニケーションを避けたい人もいるでしょう。社内コミュニケーション活性化のための施策が、社員の不快感やストレスにつながらないためにも、定期的にアンケートなどを取り、社員一人ひとりが気持ち良く取り組める方法を考えていくことが大切です。
社内コミュニケーションの手法はさまざまありますが、社員の業務内容や環境によって、参加しやすい・しづらいなどの状況も出てきます。一つのコミュニケーション方法に頼らずに、多角的に運営していくと良いでしょう。
発言しやすい環境作り
立場に関係なく、自分の意見を安心して発言できる状態「心理的安全性」が保たれている職場環境づくりは、コミュニケーション活性化のためには必須です。
管理職と一般職の間に意見を言いづらい状況があったり、部署同士が互いにけん制し合い業務連携を行わない雰囲気があると、コミュニケーション活性化が遠のいてしまいます。そのため、個人が発言しやすい環境づくりはもちろんのこと、部署同士でも意見を言いやすい環境をつくるのが大切です。
ツールに頼り過ぎない
便利なコミュニケーションツールを導入するだけでは、円滑な社内コミュニケーションは生まれません。例えば社内SNSなどのツールを取り入れる場合、運用方法をしっかりと考えておかないと社員の負担になり、コミュニケーション活性化につながらないまま形骸化してしまう場合も。コミュニケーションが生まれる話題提供を誰がいつやるのかなどをしっかりと決めておきましょう。
また、社員のストレスにならないようにメッセージを送る時間帯のルールを決めるなど、ツールを導入して終わりではなく社員が使いやすい環境を整えましょう。
会社主体で社内コミュニケーション活性化に向けて動き出そう
社内コミュニケーションの活性化は、社員が働きやすい職場づくりをするためにも会社の生産性を高めるためにも重要です。社内コミュニケーションは個々人に任せておいても活性化しません。まずは、人事関係部署など会社が主体となりコミュニケーション活性化に向けて動き出していきましょう。