令和2年時点の厚生労働省による労働安全衛生調査の結果によると、9.2%の企業で、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休職した労働者又は退職した労働者が発生しています。また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休職した労働者の割合は0.4%となっており、事業所規模が大きくなるほどその割合は高くなっています。
休職者一人あたりの損失は年間約570万円と言われており、さらに本人だけでなく、休職に関わる手続きを対応する担当者やその他バックアップを行う職場メンバーなどの負担も合わせると、かかるコストは相当のものになります。0.4%とは言え、事業場にとって看過し難い課題と言えるのではないでしょうか。
(参考:令和2年「労働安全衛生調査」)
目次
メンタルヘルス不調による休職者の復帰後再休職率は約50%
メンタルヘルス不調による休職において最も重要なことは、「再発予防」です。先行研究では、メンタルヘルス不調によって休職した労働者のうち約5割が、5年以内に再発し再休職に至ると言われています。さらに休職期間に言及すると、1回目は平均107日に対し、2回目は平均157日と1.5倍長くなっています。休職回数が多くなればなるほど、休職者自身の精神的負担が大きくなることはもちろん、企業側の損失も増えてしまうため、職場復帰後、休職前と同じことを繰り返さないための「再発予防」が最も重要なのです。
(参考:平成28年度 「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」)
休職者のスムーズな復職を支援するEAPカウンセリング
休職者の再発防止を支援するサービスとして、EAP(従業員支援プログラム)があります。EAPとは、従業員のメンタルヘルス対策から、職場や家庭での不安・悩み、またキャリアにおける心配など、様々な課題の解決をサポートし、みなさまが生き生きと働ける状態をお手伝いする専門的なプログラムです。そのサポート手段の一つにカウンセリングサービスがあり、休職者へ復職に向けての支援を行う「復職支援カウンセリング」も行っています。
まとめ~コラム〈後編〉へ~
コラム〈後編〉では、休職者のスムーズな復職を支援する「復職支援カウンセリング」について、3つのステップに沿ってご紹介します。休職者・事業場の双方が安心できる復職ステップを踏むために必要なこととは何か、一緒に考えてみましょう。
〈後編〉へ続く
また、カウンセリングの他にも、休職者・復職者へのご支援として各種サービスを揃えています。休職中の所得の減少をカバーする保険「GLTD(団体長期障害所得補償保険)」や、企業担当者が複数の休職者情報を一元管理できるクラウドサービス「アドバンテッジ ハーモニー」も、EAPサービスとして提供しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
「人」ソリューション1部 カウンセラー