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アサーションとは?活用メリットや今すぐ実践できるトレーニング方法解説

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

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アサーションとは、相手の気持ちや考えを尊重しながらも、自分の気持ちや考えを適切な表現で率直に伝えることです。アサーションを活用すれば仕事を上手く進められたり、人間関係が円滑になったりなど、多くのメリットがあります。そこでアサーションの基本概要やメリット、活用方法、トレーニング方法を解説します。

近年注目されているアサーションとは?

アメリカの心理療法から生まれたアサーションは、職場のコミュニケーションを円滑にするためにも役立つとして、近年企業から注目されています。その意味や広まりをみせる背景を紹介します。

アサーションとは?

アサーションとはコミュニケーションスキルの一つで、自分も相手も大切にしながら、率直・誠実に自分の意見や気持ちを伝える方法のことです。「自己主張」を意味する英語の “assertio” からきています。1950年代のアメリカで、行動療法という心理療法の中から生まれ、自己主張が苦手な人に対するカウンセリング技法として活用されてきました。

アサーションが近年注目されている背景

近年アサーションが注目されて広まりをみせているのは、以下のような背景があります。

①多様性(ダイバーシティ)やハラスメント意識の高まり
②コロナ禍による非対面コミュニケーションの増加

アサーションを活用すれば、お互いの違いを理解し尊重する力を養え、その場の空気感や相手の表情・しぐさといった細かな変化が見えないオンライン上のコミュニケーションの円滑化にも役立つと考えられています。

企業がアサーションを取り入れるメリット

アサーションを取り入れると、従業員同士のコミュニケーションが活性化するだけではなく、従業員のメンタル不調の予防にもつながります。ここでは企業が期待できるメリットを紹介します。

職場の人間関係が良好になる

アサーションを取り入れて従業員が上手な自己表現を身につければ、立場や価値観の違いを超えて円満な関係を築けるようになります。相手を尊重しつつ対等な立場で議論ができるため、社内のコミュニケーションが活性化できるのです。ハラスメントの発生予防にもつながり、「風通しの良い職場」作りの第一歩となるでしょう。

業務が円滑に進む

従業員同士で適切な意見交換が行えるようになると、業務の効率化、ひいては組織全体の生産性向上につながるでしょう。相手に不快感を与えずに伝えるべき意見を伝えられるので、無用なトラブルも防げます。

従業員のストレスが軽減される

従業員同士が適切な意思疎通を行えるようになり、人間関係でのストレスが軽減されます。我慢することが減り、健全なコミュニケーションが図れて心理的安全性が保たれるでしょう。人間関係のストレスなどが引き金となるメンタル不調の予防にもつながります。

企業におけるアサーションの活用例

続いて企業において、どのようにアサーションを活用できるかを見ていきましょう。

アサーションは日々の業務はもちろん、人事評価や面談、採用面接などの場面でも活用できます。従業員や応募者と対等なコミュニケーションがとれ、適切な人材育成、人材の確保につながります。

面談や面接では評価する側の上司が威圧的な態度になりやすく、従業員や応募者は率直な意見を言いにくいものですが、アサーションを身につけることでお互いを尊重して冷静かつ気持ちの良い会話ができ、その後の業務やコミュニケーションも気持ち良く行えるでしょう。

アサーションで提唱される3つの自己表現タイプ

アサーションでは、コミュニケーションスキルを攻撃型・受け身型・バランス型の3つに分類しています。まずは自身や相手の自己表現タイプがどれに当てはまるかをチェックしてみましょう。

アグレッシブ:攻撃タイプ

アグレッシブとは相手の気持ちを無視して、自分の意見や価値観を押し付けるタイプです。自分の意見が正しいと思い込んでいて、相手を言いくるめて優位に立とうとします。意見をはっきりと言えるのは良いのですが、周囲との軋轢が生じやすく、結果的に組織に損害を与える事態になりかねません。

ノンアサーティブ:受け身タイプ

ノンアサーティブとは、自己主張が苦手で、自分よりも相手の主張を優先するタイプです。優しくて控えめな人が陥りやすく、根底に「相手に嫌われたくない」「否定されたくない」という思いがあります。

ノンアサーティブタイプの人は、自分の意見を抑えこんでいるためストレスを抱え込みがちです。また相手の意見に従っているので、責任感が薄かったり、言い訳が多くなったりする傾向もあります。

アサーティブ:バランスタイプ

アサーティブとは、アグレッシブとノンアサーティブの良いところをバランス良く兼ね備えているタイプです。相手の気持ちに配慮したうえで、自分の意見を伝えられます。また場の空気を読み、状況に応じて適切な言葉や態度で表現できます。

アサーティブタイプの人は良好な人間関係を構築できるので、ストレスも溜め込みにくいでしょう。3タイプの中では、アサーティブタイプが目指すべき理想の姿といえます。

アサーションを身につけるトレーニング方法

アサーションを身につけるには、自分の自己表現タイプを注視しながら、いくつかのコミュニケーションスキルを意識して相手と接していくのが効果的です。アサーションのトレーニング方法を紹介します。

トレーニング方法①DESC法を活用する

DESC(デスク)法とは、以下の4つの順番に主張を伝えるコミュニケーション手法です。

①describe(描写)主観を交えず、客観的に状況を伝える
②explain(表現)主観的に自分の意見や気持ちを表現する
③suggest(提案)相手にも寄り添った打開策や解決策を提案する
④Choose(選択)相手の意見を受け、自分の行動を選択する

また人事担当者や上司が他の従業員や部下に接する際には、これに加えて今後についてのフォローや相談しやすい雰囲気を心がけるといった、次につながる言動や雰囲気を心がけましょう。相手を尊重しながら、わかりやすく自分の意見を伝えるのに役立ちます。

トレーニング方法②Iメッセージで伝える

次に、I(アイ)メッセージで伝えましょう。I(アイ)メッセージとは、主語を「わたし」にして意見を伝えるコミュニケーション手法のことです。

相手への要望や反対意見を示す場合、主語が「あなた(YOU)」だと相手を否定しているように受け取られかねません。例えば「あなた(YOU)はこの業務をやっといて」「あなた(YOU)にはこれはまだ早い」などです。

主語を「わたし(I)」にして「わたし(I)はこう思う」「こうしてくれると(わたしは)嬉しい」のように伝えると、相手を責めているようなニュアンスが消え、気持ちが伝わりやすくなります。

トレーニング方法③非言語コミュニケーションを織り交ぜる

言葉で伝える以外にも、表情や声・態度・ボディランゲージなどの非言語コミュニケーションにも気を配る必要があります。言葉が適切でも、硬い表情だったり荒々しい声のトーンだったりすると、相手からは攻撃的にみえることがあるので、相手も気持ちよく対応できる接し方を心がけてください。

従業員にアサーションを浸透させる方法

職場内にアサーションを浸透させるには、定期的な社内研修と継続的な実践を行っていく必要があります。従業員へ行う重要な研修のひとつとして取り組むのがおすすめです。

アサーションへの理解を深め、研修を実施する

職場にアサーションを浸透させるには、ハラスメント研修会などと同様に全社員を対象とした社内研修に組み込むのがおすすめです。

研修の内容は先に挙げたアサーションとは何か、アサーションの必要性、自己表現タイプのチェック、実践方法などを取り入れてください。実施には社内で講師を立てる、外部から講師を呼ぶ、オンラインセミナーを受講するなどさまざまな方法があります。

またアサーションについて意味を理解したうえで、ロールプレイングを行えるとより効果的です。ロールプレイングでは参加者同士でいくつかの事例をもとに、アサーションを意識した会話の練習をすれば、自分の自己表現タイプを自覚するきっかけにもなります。実演が難しい場合は、座学研修のワークに組み込むのも良いでしょう。

現場で実践しフィードバック/フォローする

さらに研修で学んだことを現場で活かせているか確認し、不十分な場合にはフォローやフィードバックを行いましょう。

会議や日頃の会話の中で意識できているか、相手だけではなく自分も含めてチェックを行います。定期的に研修会を行うなど振り返る機会を作りながら継続的にトレーニングを実施し、周囲とともに意識していくことが大切です。

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アドバンテッジリスクマネジメントでは、従業員の感情マネジメントを高めたい企業向けにEQ(感情マネジメント力)向上研修も提供しています。

アサーションを実践し、コミュニケーションを活性化させよう

アサーションは職場のコミュニケーションを円滑にし、従業員の心身の健康を保つのに役立つスキルです。結果的に業務がスムーズに進み、組織全体の生産性向上も期待できるでしょう。企業全体で取り組んで、みんなが活躍できる職場環境の構築を目指しましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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