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部署異動でストレスを感じたら。ストレス対処法や向き合い方を紹介

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

部署異動(人事異動)によって配属先が変わることにストレスを感じたり、不安に思ったりする人は少なくありません。希望とは異なる部署への配属が決まった場合や、業務内容が大きく変わるようなケースでは、新しい環境になじむことができず、メンタル不調に陥ってしまうこともあります。今回は、部署異動でストレスを感じる原因や、ストレスにうまく対処する方法についてご紹介します。

部署異動でストレスを感じる原因

部署移動でストレスを感じている女性

まずは、部署異動にストレスを感じてしまう原因について解説します。

業務内容の変化

業務内容の大きな変化はストレスにつながります。今まで担当してきた業務との関連性が薄いと、新しい仕事を一から覚えていかなければなりません。慣れない業務ばかりで、これまでと同じようなスピードで仕事をこなせない、あるいはより高度なスキルを求められ、自分にこの業務は向いていないのではないかと感じてさらにストレスを抱く場合もあります。

新入社員ではないことから、「これくらいすぐできるはず」「すぐに結果を出せるはず」などと周囲から期待をかけられてしまい、プレッシャーを感じることもあるでしょう。また、初めて管理職になるなど、部署異動とともに役割が大きく変わる場合も、ストレスを感じやすいとされます。

新しい人間関係の構築

配属先の部署で人間関係を新たに構築し直さなければならない点も、ストレスとなり得ます。外交的な性格の人ならストレスをさほど感じないかもしれませんが、内向的な性格の人の場合、心理的負担が強いこともあります。

部署やチームの人間関係は、仕事を円滑に進めるうえで重要な要素です。配属先に全く知り合いがおらず、なかなかチームに溶け込めないと、常に緊張状態で仕事をしなければならず、心身に負担がかかってしまいます。

キャリアプランが崩れたと感じる

部署異動は、従業員のスキルアップや将来のキャリアを考慮して実施されることも多いですが、人員補充を目的として行われるケースもあります。予期せぬ部署異動や、異動先が希望と異なる場合、自身が思い描いていたキャリアプランが崩れてしまうこともあるでしょう。例えば営業で優秀な成績を残して、そのまま営業部で出世しようと思っていたのに、突然違う部署に配属されると、「これまで営業現場で積み重ねてきた実績が無駄になった」「この企業で活躍していく未来が見えない」と感じて、モチベーションが低下してしまいます。

勤務場所や労働条件など環境の変化

部署異動によって、勤務場所や労働条件が大きく変わることもストレスとなります。例えば都市部から地方への異動、内勤から外勤へとワークスタイルの変化、勤務時間帯の変化などが挙げられます。国内外を問わず、さまざまな地域に支店がある企業の場合、転居を伴う異動が発生することもあるでしょう。住み慣れた場所を離れ、新しい土地で暮らすことに抵抗を感じる人は少なくありません。特に家庭を持つ人の場合、自分だけではなく家族の生活スタイルも変わる可能性があり、強いストレスを感じてしまうかもしれません。

部署独自のルールや慣習

部署ごとの独自ルールや慣習があり、それらになじめないことがストレスにつながることもあります。暗黙の決まりごとだけではなく、仕事の進め方、やり方、熱量に違いを感じて、うまくなじめない場合もあるでしょう。かといって前の部署でのやり方をチームに強制したり、頑なに自分のやり方を貫き通したりすると、周囲からチームの和を乱す人と捉えられかねず、良好な人間関係の構築に影響する可能性もあります。

部署異動でストレスを感じたときの対処法

自宅でくつろぐ女性

誰しも少なからず部署異動によるストレスはつきものです。以下にご紹介する対処方法を実践してみましょう。

睡眠や休養をしっかり取る

睡眠不足は疲労感や情緒不安定などにつながり、ストレスが増す原因となります。新しい環境に慣れず緊張状態が続くと寝つきが悪くなりがちですが、なるべく毎日6時間以上の睡眠、そして十分な休息を取ることが大切です。布団の中で深い呼吸をする、よい香りを嗅ぐなどして、心身ともにリラックスした状態になると、副交感神経が優位に働き、眠りやすくなるといわれています。反対に、眠る前にパソコンやスマートフォンの画面を見たり、カフェインを摂取したりすると睡眠の質の低下を招くため注意しましょう。

自分に合った方法でストレスを解消する

自分に合った方法で、気分をリフレッシュすることも重要です。仕事中であれば、深呼吸やその場でできる簡単なストレッチをする、コーヒーを飲んで一息つくなどがおすすめです。休日には運動や趣味を楽しむなどして、仕事のストレスから離れる時間をつくりましょう。気持ちが落ち着くことや、気分転換できることを見つけておくとよいでしょう。

同僚や上司に相談する

同僚や先輩、上司など、近しい人に部署異動の悩みを相談することも有効です。具体的な解決策を提示してもらえたり、自分とは異なる視点からのアドバイスによって新たな気づきを得られたりするかもしれません。自分だけでストレスを抱え込むのではなく、周囲のサポートを得ることも大切です。

ストレスマネジメントを実践する

ストレスマネジメントとは、自分のストレスについて、対処しながら上手に付き合っていくことです。具体的な方法として、自分自身のストレス状態に気づくための「セルフモニタリング」と、ストレスに対して具体的に対処する「ストレスコーピング」があります。

【セルフモニタリング】
自分の現在の状況や、ストレスの原因と考えられるもの、そのときの自分の気持ちなどを紙に書き出してみましょう。継続して自分自身の状態を観察することで、不調を感じている理由がわかります。
具体的な方法は、以下の記事で紹介しています。

【ストレスコーピング】
ストレスコーピングにはさまざまな種類がありますので、ストレス内容に適した方法を選ぶことが大切です。ストレスを対処しよう、ストレス原因を解決しようという主体的な意識を持って取り組みましょう。
具体的な方法は、以下の記事で紹介しています。

部署異動によるストレスに向き合うためのヒント

一歩踏み出そうとする男性

ストレスの原因になりやすい部署異動ですが、自分自身の考え方や意識の工夫によって、前向きに捉えることもできます。続いては、部署異動によるストレスと向き合うためのヒントをご紹介します。

部署異動のメリットを整理する

ストレスを感じていると、ついデメリットばかりに意識が向きがちですが、部署移動にはメリットもあります。さまざまな業務を経験することで幅広い知見や技術が身につき、さらなる成長につながったり、視野が広がって新しい発想が生まれたりすることもあるでしょう。また部署異動で新たなつながりができると、社内の人脈が広がります。互いに協力しあえる体制ができることで、部署をまたぐような大きなプロジェクトも進めやすくなるかもしれません。このようにメリットを整理することで、異動に対して前向きな気持ちを持てるようになります。

新しい環境や仕事に慣れるよう工夫する

新しい環境や仕事に早く慣れることができるよう、自分なりに工夫することも大切です。引き継ぎ資料を読み込む、新しい部署や仕事に関する書籍を読むなどして情報収集をすることで、どんな仕事をするのか、どのような役割を期待されているのかが理解でき、業務における不安が軽減される可能性があります。新しい部署で達成したいことや伸ばしたいスキルといった目標を定め、計画を立てることもおすすめです。

また、職場環境そのものが変わって落ち着かない場合には、パソコン画面のデザインやデスク周りのレイアウトを整え、これまでに近い環境をつくることも有効です。

「とりあえず」の気持ちでチャレンジする

頭ごなしに「自分にはこの業務は向いていない」と否定せず、「とりあえず半年やってみよう」「1年がんばってみよう」という気持ちで取り組んでみましょう。企業によっては、幹部候補を育成するための戦略上、経験を積ませることを目的として定期的に異動を実施しているケースもあります。キャリア形成に必要な異動と捉えて、「新しい仕事に挑戦できる」とポジティブな意識を持つことも大切です。

【人事の方へ】部署異動による従業員のストレス対策

笑顔の従業員たち

企業で働く以上誰でも経験し得る部署異動ですが、ストレスを感じ、異動した先で本来の能力を発揮できなくなる事態は避けたいものです。最後に、人事の方に向けて、企業側ができる従業員のストレス対策をご紹介します。

従業員のストレス状態を把握する

ストレスチェックやエンゲージメントサーベイを活用し、従業員のストレス状態を把握しましょう。例えば、異動前後のタイミングでサーベイを実施し、変化を測定することも一つの方法です。異動した従業員本人だけではなく、受け入れる側の従業員にも少なからず環境変化が生じるため、ストレスや不安、不満を抱える可能性がある点に留意しましょう。従業員に、自身の抱えるストレスに気づいてもらうことができれば、早めのケアにつなげられる可能性があります。

ストレスマネジメントに関する研修を実施する

ストレスへの理解を深め、適切な対処ができるよう、ストレスマネジメントやストレスケアの方法について学ぶ機会を提供することも効果的です。

EQ(感情マネジメント力)の向上も重要です。EQとは、自分自身や周りの人のの感情を適切に認知し、上手に扱う能力のことです。EQを高めることは、円滑なコミュニケーションにつながるため、周囲の人間関係からくるストレス軽減にも役立つことが考えられます。

1on1を取り入れストレスケアを図る

ラインケアとして、1on1ミーティングの機会を設けストレスマネジメントを行うことも有効です。1on1とは、上司と部下が1対1でコミュニケーションを取ることです。評価ではなく、部下が上司へ悩みや自身の状況などを伝えることが目的とされています。1on1はコミュニケーションを通してストレスを感じている原因や対処方法を分析し、一緒に解決策を探すことで、ストレス軽減を手助けできる可能性があります。異動後しばらくは、定期的に面談を実施し、部下の悩み・困りごとをヒアリングするとよいでしょう。人事が1on1を推奨する、効果的な1on1の方法について研修を行うなど、企業として取り組みを促すことが大切です。

悩みを相談しやすい環境を整える

仕事や職場の人間関係など、異動に伴う悩みも含め、さまざまなことを相談できる環境を整えることも重要です。ストレスによってメンタル不調に陥ってしまった従業員が適切なケアを受けられるよう、産業医などの専門家によるサポート体制を構築することも手段の一つです。また、メンタルの不調を予防する観点から、誰でも利用できる相談窓口を設置し、従業員に利用を促すことも効果があります。外部の相談窓口を周知する際は、匿名で相談できること、秘密は守られることなど、安心して利用できる点を伝えることが大切です。

見方や捉え方を変えてストレスとうまく付き合う

ストレスに対処するイメージ

業務内容や人間関係など、部署異動には大きな変化が伴うため、強いストレスを感じてしまうかもしれません。ストレスを軽減するには、異動を前向きに捉えられるよう気持ちを切り替える、自分なりの方法でストレス解消を図るなどして、新しい環境に慣れていく工夫が大切です。自分だけでストレスを抱え込んでしまうことは、メンタル不調を招きかねません。周りの人のサポートも借りながら、ストレスとうまく付き合っていきましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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