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連休明け仕事に行きたくない…原因や対処法、心を鍛える方法を解説

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

旅行にレジャー、ショッピング、楽しい連休はあっという間に過ぎてしまうものです。充実した休日を過ごした反面、「明日からまた仕事か……」と、憂鬱な気分になってしまう人も多いのではないでしょうか。今回は、連休明けに「仕事に行きたくない」「やる気が出ない」と悩む人に向けて、連休明けの仕事がつらいと感じる理由や、休み明け直前にできる対処法について紹介します。

連休明け仕事に行きたくない…と感じる原因

電車で通勤している会社員

楽しい休日を過ごした時ほど、日常に戻るのを辛く感じ、仕事のことを思うと気分が沈んでしまうかもしれません。はじめに、連休明けに仕事に行きたくないと思う理由をみていきましょう。

連休の疲労が溜まっている

旅行や帰省、ショッピングやアクティビティなど、活動的な休日を過ごしたことでその疲労が溜まっていることが考えられます。渋滞に巻き込まれた、お出かけ先が混雑していた、あるいは人と会うことや慣れない場所、刺激の多い環境にストレスを感じ、気疲れしてしまった可能性もあります。

生活リズムが乱れた

食事をする女性

連休中、不規則な生活を送っていると、自律神経のバランスや体内時計が乱れ、心身の疲れや不調があらわれることがあります。夜遅くまで飲みに出かける、ゲームや映画鑑賞などの趣味を満喫しようと夜ふかしする、暴飲暴食を続けるなど、ストレスを解消するための行為がかえって体の負担になった可能性もあります。

また、思い切って休もうと「寝溜め」をすることも、睡眠の質の低下につながりかねません。夜型の生活に慣れると、仕事に行く日の生活リズムとズレが生じ、なかなか寝つけずに睡眠不足になることも。その結果、自律神経のバランスにも悪影響を及ぼし、やる気が出ない、疲れがとれないと感じてしまいます。

仕事でストレスを抱えている

仕事そのものをストレスに感じている場合もあります。休み明けに仕事が待っていることを思うと一気に現実に引き戻されてしまい、精神的にも休まらず、悪循環となってしまいます。

また、仕事にやりがいを感じられない、新しい仕事になかなか慣れない、職場の人間関係が良くないなど、仕事に対してネガティブな感情を持っている場合、充実した連休を過ごせたとしても、根本的なストレスの解決にはなりません。

連休明け仕事に行きたくない時の対処法10選

複数の白い電球と光る1つの電球

連休明けが間近に迫っていて、「仕事が憂鬱だ」「出勤したくない」と感じた時に試したい10の対処法をご紹介します。

「行きたくない」気持ちを素直に受け入れる

「仕事が憂鬱だ」「会社に行きたくない」と思うとともに、「社会人なのだから、そう思ってはいけない」「生活がかかっているのだから、何がなんでも行かなければならない」と、ついネガティブな感情に蓋をして、否定したくなってしまうかもしれません。

しかし、自分の素直な気持ちを抑圧することは、かえってストレスにつながる可能性もあります。「自分は今、会社に行きたくないと感じているんだな」「仕事をしたくないという気持ちがあるんだな」「連休明けで気分が重いな」と、今の自分の感情を偽らずに受け入れ、理解してあげることで、心が少し軽くなります。

自分の思いや頭に浮かぶことをありのまま書き出す「ジャーナリング」を試してみるのも良いでしょう。ジャーナリングは「書く瞑想」とも呼ばれており、心の中のもやもやした感情を視覚化することで、自分の考えを客観的に理解する手助けになります。

早めに眠る

連休の最終日は、早めに寝て十分な睡眠をとることを心がけましょう。特に、夜ふかしが続いていて睡眠不足になっていると、集中力が低下してミスが増える可能性もあります。すると、仕事に対する意欲がさらに下がってしまうでしょう。

睡眠によって心身の疲れを回復すれば、仕事へのモチベーションやパフォーマンスの維持につながります。眠りやすい環境を整える、寝る直前にパソコンやスマートフォンの操作を控えるなどして、睡眠の質を高めることも意識してみてください。

次の休日の予定を考える

カレンダーとキャリーケースと飛行機のおもちゃ

次の休日の予定を考えるのもおすすめです。「今度の休みは買い物に行こう」「一人旅をしよう」「趣味の活動に集中しよう」など、楽しい計画を立てることで、「1週間がんばって乗り切れば、また楽しいことが待っている」と、ポジティブな気持ちに切り替えて仕事に集中できます。

リラックスタイムを作る

自分なりの方法でリラックスできる時間を作るのも一つの方法です。例えば、アロマを焚いて香りでリラックスする、半身浴をするなどして、ゆったりと過ごす時間を設けるなどがあります。「今、ここ」に集中する瞑想も、ストレスの緩和に役立つとされています。

体を動かしてリフレッシュする

「あまり体を動かさなかったな」「ゴロゴロしている時間が長かったな」と感じる時は、軽い運動で気分をリフレッシュしてみましょう。これはアクティブレスト(積極的休養)と呼ばれるもので、心身のコンディション回復に有効とされる方法です。

ただし負荷の強い運動はかえって体に疲労が溜まってしまうため、息の上がらない程度のウォーキングやストレッチなどがおすすめです。

前向きな言葉を使ってみる

カラフルな付箋

ネガティブな気持ちを受け入れつつも、「言葉は前向き」を意識しましょう。これは、「先に受けた何らかの刺激が、無意識のうちに行動に影響を及ぼす」という心理学の「プライミング効果」を活用したものです。「明日はうまくいくはずだ」「がんばってみよう」と口にすれば、無意識のうちにポジティブな思考が刷り込まれ、前向きな思考を取り戻せるようになります。

音楽鑑賞や読書をする

音楽を聴くことや本を読むことも、ストレスの解消やリラックス効果があるといわれています。音楽は、ヒーリングミュージックのようなゆったりしたテンポのものが良いとされていますが、ジャンルにこだわらず自分の好きな曲を聴いて気分を明るくし、リフレッシュするのもおすすめです。

本は、興味のあるジャンルや作家を選び、内容に没頭できるものを選びます。読書をする際は、集中できる静かな環境が望ましいでしょう。

連休明けにちょっとしたお楽しみを用意する

こんがりと焼けたクロワッサン

連休明けの朝食のためにちょっといいパンを買っておく、出勤途中にお気に入りのカフェでドリンクを買っていく、お弁当ではなく外でランチを楽しむなど、休日明けにちょっとしたお楽しみやご褒美を設けるのもおすすめです。「明日仕事に行きたくないな」から「どんなことをご褒美にしようかな」と、わくわくした気持ちに切り替えて連休明けを迎えられます。

今の気持ちを誰かに共有する

今の気持ちを家族や友人など、信頼できる人に思い切って話してみるのも一つの方法です。一人で悩みを抱えていると、ネガティブな気持ちでいっぱいになってしまうかもしれませんが、誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちがスッキリすることもあります。

同じ気持ちを抱えている人と励ましあえれば、「自分だけじゃない」と心が軽くなったり、あるいは新しい視点からのアドバイスをもらえたりするかもしれません。

明日やるべき業務を整理する

仕事モードに切り替えるため、前日に仕事の準備をしておきましょう。スケジュールを整理して、タスクの優先順位をつけ、何から取り組むべきかを明確にしておくと、スムーズに仕事にとりかかれます。仕事を整理する中で「これくらいならがんばれそう」と思えれば、少しは気持ちが楽になるかもしれません。簡単ですぐに終えられるものから着手するのがおすすめです。

どうしてもつらいと感じる場合は専門家に相談

カウンセリングを受ける人

紹介したような対処法を試しても意欲が持ち直さず、どうしても仕事に行くのがつらい、仕事や日常生活に影響が出るような場合は、メンタル不調が隠れているかもしれません。「休み明けで一時的にやる気がないだけかもしれない」「連休明けにはよくあることだ」と思って放置していると、深刻なメンタル不調に陥ってしまうこともあります。心身のつらさを一人で抱え込まず、メンタルヘルスの専門家に相談し、適切に対処していくことが大切です。

医療機関にかかるハードルが高いと感じる場合は、社内の産業保健スタッフに相談するほか、カウンセリングを利用しても良いでしょう。会社が専門機関と契約し、匿名で相談できるカウンセリング窓口を提供しているケースもありますので確認してみましょう。

「仕事に行きたくない」を軽減する“メンタルタフネス”の高め方

運動している女性のシルエット

「仕事に行きたくない」という気持ちを少しでも軽くするには、「メンタルタフネス」を高めるのもおすすめです。「メンタルタフネス」とは、「困難な壁に直面した時、マイナスの感情に振り回されることなく、解決に向けた行動を起こせること」で、ストレスへの対処スキルを指します。

「メンタルタフネス」は、個々が持つもともとの性格ではなく、後天的に開発できるスキル・能力です。ストレスへの向き合い方を学ぶと、ストレスに直面した時に適切な対処ができます。仕事に臨もうとする前向きな気持ちが維持されるため、モチベーションを失いにくくなることが期待されます。

自分の思考のクセを知る

自分の思考のクセを知っておくことが大切です。ついネガティブな方向へ考えてしまう心のクセ、思考パターンとなる『認知の偏り』の例を紹介します。

<「思考のクセ」の例>

  • 「〇〇しなければならない」と厳しいルールを課す
  • 悪い方に決めつけてしまう
  • 根拠もないのに悲観的になる

仕事量や裁量、職場の人間関係、評価などは、自らの力では変えにくいものですが、自分自身の「認知」や行動は変えられます。メンタルタフネスの構成要素の中で軸となるのが、「プラスの認知・行動/マイナスの認知・行動」です。

自分の中にある「認知の偏り」を知っておくと、「仕事がつらい」「ミスをするに違いない」といった「マイナスの認知・行動」に対しても、「ネガティブに捉えてしまういつものクセが出ている、でも実際は、それほどつらいことは起こらないだろう」と、楽観的に物事を考えられる可能性が高くなります。

このように前向きに考え直す、気分転換をする、あるいは誰かに相談するなど、先に紹介したような「プラスの認知・行動」を増やすことが、メンタルタフネス度の向上につながります。

ストレスの捉え方を変える

プラスの認知・行動を促す、思考のフレームワークを身につけることも有効です。

【ABC理論】
ABC理論とは、Activating events(できごと)、Belief(信念、認知)、Consequences(結果)の頭文字をとったものです。A「できごと」を、どのようなB「信念」で捉えるかで、C「結果」が変わるという考え方です。例えば、目標を達成できなかった時、「自分はダメなんだ」と思うのではなく、「結果はダメだったけど、次に活かしてがんばろう」と捉えることで、モチベーションを維持します。

【SOC(首尾一貫感覚)の向上】
SOCとは、「Sense of Coherence」の頭文字をとった言葉です。有意味感(どんなことでも意味がある)、把握可能感(これから訪れる未来や展開がわかる)、処理可能感(自分ならできる)の3つの感覚を高めることが、ストレス耐性の向上につながるとされています。

【加点主義】
減点主義ではなく、加点主義で成功体験を積み上げていくことも大切です。失敗したところや問題点ばかりに注目するのではなく、その中でもうまくいったことや気づき、次の目標にフォーカスするなど、ポジティブな面に意識を向けます。

【人事の方へ】連休明けの生産性を維持するための対策

水色の背景と矢印の書かれたブロック

連休明けは、仕事の生産性が低下しやすいといわれています。重大なミスや思わぬ事故を誘発してしまう可能性もあるため、企業としても連休明けの従業員のモチベーションや集中力を保つために対策を講じていくことが必要です。最後に、連休明けの従業員パフォーマンスのムラを低減するために、企業が行うべき取り組みを紹介します。

働きやすい職場環境をつくる

まずは、仕事のストレスを減らせるよう、働きやすい職場づくりを進めましょう。例えば、長時間労働や過度な業務負担が生じていないか、業務の見直しや整理・分担を行います。労働時間が適切な状態に調整されることで、従業員のストレスや疲労の蓄積が予防され、モチベーションの維持が期待できます。

また、困ったことがあっても聞けない、ハラスメントがあるなど、職場の人間関係の悪さが背景となっている場合もあるため、心理的安全性の高い環境を構築することが大切です。併せて、ワークライフバランスを見直し、個々の価値観を尊重した、柔軟かつ多用な働き方ができるような取り組みも行います。希望するワークライフバランスの実現に向けて、主体的、自律的に仕事をしようとする意識が高まるかもしれません。現場の意見をヒアリングしながら、リモートワークやコアタイム制度の導入を検討するのもおすすめです。

セルフケアの方法を発信する

「仕事に行きたくないな」「つらいな」と感じた時に、どのように対処すれば良いのか、セルフケアの方法を発信することも必要です。連休中の疲労の蓄積を防ぐアイディアや、リフレッシュの方法など、休日の過ごし方のポイントを伝えましょう。

また、自身のストレスを客観的に理解する、「セルフモニタリング」を教えることも有効です。ストレスを感じた時の自分の傾向や対処方法を理解できるため、適切なセルフケアの取り組みにもつながります。

セルフケア、セルフモニタリングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

メンタルタフネス度を高める研修を行う

メンタルタフネス度を高めるための研修の実施も効果的です。従業員全員がストレスに対する正しい知識を持ち、理解を深めることで、自身のストレスに適切に対処できるかもしれません。また、従業員のヘルスリテラシー向上と健康意識改善に向けたアプローチとして、オンライン健康セミナーの活用も有効です。

サーベイで従業員の状態を把握する

アイコンが描かれた木のブロック

組織や従業員の状態を把握するために、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイ、パルスサーベイなどを実施・活用するのも一つの方法です。特にパルスサーベイは、短い間隔で定期的に従業員の状態をチェックするため、従業員の心身に関する変化をタイムリーに捉えられ、従業員にとっても、自分自身と向き合う機会となります。

自分なりの方法で心身を休めましょう

ソファに座りコーヒーを飲む女性

連休明けの出勤を憂鬱に感じるのは、誰にでもあることであり、否定する必要はありません。どうしてもつらいと感じた時には、一人で抱え込まずに専門家を頼ることも大切です。自分がリラックスできることをしたり、ちょっとしたご褒美を用意したりして、「これならがんばれそう」と少しずつ気持ちをポジティブに傾けていってみましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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