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アンコンシャス・バイアス

アンコンシャス・バイアスとは

アンコンシャス・バイアスとは、先入観や思い込みによって偏った見方をしてしまうことを指します。自分自身では気づかない「無意識の偏見」を意味し、特に女性や若者、マイノリティ(少数派)に対して現れやすい現象です。

アンコンシャス・バイアスは過去の習慣や経験から無意識に判断するものであり、それが悪いというわけではありません。問題視されているのは、知らず知らずのうちに相手に疎外感やストレスを与え、本人の評価や判断を著しく歪めてしまうおそれがあることです。

アンコンシャス・バイアスに意識を向けず放置してしまうと、人間関係に亀裂が生じたり、周囲のモチベーションを下げたりといった悪影響を及ぼす可能性があります。

アンコンシャス・バイアスの代表例

職場において、アンコンシャス・バイアスを意識することはダイバーシティの推進やハラスメントの防止に効果的です。職場におけるアンコンシャス・バイアスの代表的な事例は以下の7つです。

確証バイアス
仮説や先入観に合致した情報ばかりを集める傾向があり、それに反証する情報は見ないようにすること。
例:「大手企業に入れば安心」と考えて、大手企業に就職すべき理由についてのみ情報収集する

ステレオタイプバイアス
人の属性やグループに対し特定の特徴があると決めつけること。
例:高齢者はITリテラシーが低い

アインシュテルング効果
過去の経験やなじみ深いものに固執し、ほかの選択肢や考え方を無視してしまうこと。
例:過去に前例のないプロジェクトは認められない

集団同調性バイアス
所属する集団に合わせた行動をとってしまうこと。
例:「皆がそう言っているから」と、多数決の際に票の多い案を自分も選択してしまう

慈悲的差別(慈悲的性差別)
異性やマイノリティに対する 好意的な思い込みが差別につながること。
例:女性に力仕事はさせない

ハロー効果
ひとつの目立つ特徴に引きずられてほかの特徴も同じように評価してしまうこと。
例:有名大学や大企業の出身者は優秀である

インポスター症候群
自分自身の能力や実績を過小評価し、可能性を閉ざしてしまうネガティブな心理傾向。
例:自分の力ではなくまわりのサポートのおかげで成功した

従業員一人ひとりが客観的に自分を見つめ、自身のアンコンシャス・バイアスに気づく機会や他の人の考えや意見を聞く機会を設けるなど、アンコンシャス・バイアスの対策には積極的な研修の導入が効果的です。アンコンシャス・バイアスによって従業員間のトラブルが生まれやすい職場にならないよう、人事担当者として可能なかぎりの対策を検討していきましょう。

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