福利厚生とは
福利厚生とは、企業が従業員に対し働きやすい環境を整え、基本賃金以外の報酬やサービスを従業員やその家族に提供する制度です。福利厚生制度には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。
●法定福利厚生
法律で義務化されている福利厚生で、「健康保険」「介護保険」「雇用保険」「厚生年金保険」「労災保険」「子ども・子育て拠出金」を指します。
●法定外福利厚生
法律の義務付けがなく企業が独自に設定できる福利厚生で、厚生労働省の調査資料では「住宅」「健康・医療」「育児・介護」「慶弔・災害」「レクリエーション」「自己啓発」「財産形成」など、主に7種類のカテゴリーがあります。
福利厚生は仕事の成果や生産性の向上を期待し導入する制度である一方、ハコモノの福利厚生施設から一律保障への転換、コロナ禍による余暇・レジャー支援の価値下落など、時代や環境の変化とともに福利厚生制度に求めるものも変わってきています。ユニークなサービス・制度を導入する企業に注目が集まるなか、従業員のモチベーションや帰属意識を高めるには、自社にとって適切な福利厚生制度を整備することが大切です。
福利厚生制度を導入する目的
企業が基本賃金以外のサービス・施策となる福利厚生制度を導入する目的には、主に「人材の確保」「従業員の定着」「エンゲージメント の向上」が挙げられます。
●人材の確保
自社に最適な人材を集めるには「採用力の強化」が必須です。企業の特色を生かした福利厚生制度、働き方改革によるワークライフバランスを意識したカテゴリーの充実は、他社と差別化を図り優位性を高めるためのアピールポイントにもなります。
●従業員の定着
充実した福利厚生制度は従業員の生活を豊かにし、安心して働ける環境を構築します。内外から「従業員を大切にしている企業」として認知されれば従業員の定着率が上がり、人材難が予想される将来に向けて安定した経営基盤の構築に寄与するのではないでしょうか。
●エンゲージメントの向上
従業員が福利厚生制度により仕事とプライベートを充実させ、心身ともに健康を維持することができれば、担当する業務にも自然とやりがいを感じられるようになります。意欲的に業務に取り組むことでパフォーマンスや生産性が上がり、「ワーク・エンゲージメント 」の向上につながっていくでしょう。
また、安心して働ける環境を整えてくれる企業に対する愛着がわき、帰属意識の醸成や、この企業で働き続けたいといった「エンプロイー・エンゲージメント 」の向上も期待できます。