適応障害とは
適応障害とは、日常生活や職場において起きた出来事や環境の変化などにうまく適応できず、特定の出来事をストレスに感じることに起因してさまざまな気分や行動面に症状が表れる状態をいいます。
適応障害に見られる主な症状
適応障害は、抑うつ気分や不安感、怒り、神経過敏、めまいや発汗の他、無断欠勤、暴言、暴力など行動面にも症状が現れます。仕事中に突然緊張感に襲われるといったことや、ある特定の状況や出来事に恐怖感をおぼえるなども症状の一つといえます。
これらの症状は精神的症状、身体的症状、行動的症状の3種類に大別できます。
こういった精神的な症状はうつ病と似たものであり、一見同一視されてしまいがちですが、、適応障害の場合、環境が変わると症状が落ち着くといった違いがあります。ストレスが原因であることが明確であれば、そのストレスから一定期間距離を置くことで症状は改善されます。
しかし、その状態から逃れることができないと症状が悪化する恐れがあります。その従業員自身が状況を改善しようとする取り組みも重要でしょう。
適応障害かもしれない従業員への対処法
適応障害の場合、ストレスの原因となる状況や出来事解放されれば、症状は改善されるわけですから、そのストレス原因を取り除くことを一番に考える必要があります。
従業員に適応障害と思われる症状が見受けられる場合は、まずは産業医に相談してみることが有効です。医者の立場から企業に対して有効なアドバイスを受けることができます。また、必要であれば専門医の診察を紹介することも可能です。
産業医の見解で、ストレスの原因がわかる場合には、その指導に従って職場環境を改善していく必要があります。
例えば、ストレスの原因が職場の人間関係である場合、周囲の人間の理解をもらいながら改善することに努めます。場合によっては配置転換も視野に入れて対処することも考えなければなりません。
一方、ストレスの原因が、急な配置転換で望まない業務を続けていたり、人員不足により過度の業務負担があったりするなど、職場環境にある場合、業務内容の見直しや適正な人員補充を行うなどの対処によって、ストレスの原因を取り除く必要があります。
適応障害の症状を正しく理解することは早期発見対処につながります。従業員にその症状が見受けられる場合は、速やかに産業医に相談してください。