高ストレス者とは
高ストレス者とは、ストレスチェックによって高ストレスと判明し、面接指導が必要であるとストレスチェック実施者が判定した人を指します。
参考 : https://kokoro.mhlw.go.jp/mensetsushidou/
関連用語:ストレスチェック
高ストレス者の判定基準として明確に定められたものはありませんが、ストレスチェックを実施する前に、実施者の意見および衛生委員会などの調査・審議により、高ストレス者の評価基準を設定する必要があります。
厚生労働省が公表しているストレスチェック制度実施マニュアルで紹介されている高ストレス者の判定基準では、ストレスチェックを受けた労働者の10%程度が高ストレス者となるように設計されています。
なお、ストレスチェックの結果を評価して高ストレス者を選定する際、事業者が受検結果や選定結果を知ることはできません。労働者の受検結果を評価するのは「実施者」なので、この時点で選定結果を知っているのは、実施者および実施事務従事者のみとなります。
労働者に通知するストレスチェックの受検結果では、「ストレスの要因に関する項目」「心身のストレス反応に関する項目」「周囲のサポートに関する項目」という3つの領域におけるストレスレベルを点数で表すほか、ストレスの程度や医師による面接指導の対象者であるかどうかが記されていなければなりません。
ストレスチェックの受検結果が、実施者および実施事務労働者から労働者に通知されても、事業者は受検結果について知ることはできません。ただし、労働者が通知を受け取った後、その労働者の同意を得た場合に限り、事業者も受検結果を把握することができます。
ストレスチェック実施において知り得た個人情報を第三者に漏らすことは禁止されています。高ストレス者の情報をその人の上長などに本人の同意なしに伝えることは守秘義務違反となりますので、情報の取り扱いには十分に注意しましょう。
高ストレス者の判断基準の設計はゼロから行うことも可能ですが、担当者の方の業務負担を減らしたいという場合は、厚生労働省のストレスチェック実施プログラム(https://stresscheck.mhlw.go.jp/)の活用や、膨大なストレスチェックデータで他社との比較検討が可能な当社サービス(https://www.armg.jp/mhlw/at/)の導入も検討してみてはいかがでしょうか。
高ストレス者が多い職場を改善するポイント
高ストレス者が多い職場を改善するためのポイントとしては、以下の4つのポイントが重要です。
ポイント1:経営層の理解を得る
人事部門主導で職場改善を進めることも可能ですが、ハイリスク職場の管理者が結果に無関心であったり、非協力的であったりする場合、なかなかアプローチしづらいのが実情ではないでしょうか。職場改善のプロセスを上手く推進するためには、経営層の理解を得ることが不可欠です。
ポイント2:個人批判をしない
ストレスチェックの結果はあくまでも回答者の主観で「そう感じている」度合いを示しているものなので、管理者の成績のように評価するものではありません。また、数値の背景には、管理職からの働きかけのみでは改善が困難な状況が有るかもしれません。チームの管理者への個人批判などは避け、管理職の気持ちに寄り添ったフィードバックが求められます。
ポイント3:良好点に触れる
ネガティブ結果のフィードバックのみでは、管理職を責めている印象を与えかねません。
結果の中でも良かったところや、問題ではなかったところを併せて報告するようにしましょう。また、仮に悪かった結果が有ったとしても、ストレスチェックの結果に加えて、残業時間や休業者人数、産業医や保健師の情報をもとに、問題の背景にある課題を仮説立ててフィードバックすることも重要です。
ポイント4:職場内でのグループワークを検討する
高ストレス職場では、管理職が改善の必要性を認識することが第一に重要ですが、実際の職場改善に繋げるためには、管理職主導のアプローチのみでは限界が生じる場合があります。
管理職とメンバーの間で、職場の優先改善事項のギャップがあるためです。
グループワークなどを実施して従業員参加型の職場改善を行い、集団分析の結果を開示しながら、メンバーそれぞれが職場の良い点、改善したい点(課題点)を挙げ、組織として向かう方向を整理していきましょう。
高ストレス者を生み出さない、職場環境の改善は一朝一夕にはいきません。職場環境改善の試みを継続して繰り返すことが大切です。