4つのケアとは
4つのケアとは、厚生労働省がメンタルヘルス対策において推奨している「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」のことを指します。
各企業がメンタルヘルス対策を行う際には、この4つのケアを念頭において施策を進めると効果的です。
参考 : https://www.mhlw.go.jp/content/000560416.pdf
4つのケアの特徴
ここでは、4つのケアについて具体的に説明します。
・セルフケア
従業員が自分自身で行うケアを指します。セルフケア研修などでメンタルヘルスについての基本を学ぶことで、自らのストレスに気付き未然予防することがある程度可能になります。また、年に1回実施することが義務付けられているストレスチェックによる判定で自身の心身の状況を把握することも有効です。
・ラインによるケア
部下を持つ管理監督者が行うケアのことを指します。管理監督者は日ごろから職場に目を配り、部下の相談に応じながら、職場環境の改善や部下の異変(※)の早期把握と対応、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援などを担い、職場の活性化を目指すことが求められます。
※部下の異変の例:早退、遅刻、無断欠勤、不自然な言動、ミスが増える、服装や身だしなみの乱れ、ほか
・事業場内産業保健スタッフ等によるケア
50人以上の従業員がいる事業場には産業医の選任義務があります。また、規模が大きい組織などでは、産業医以外に保健師や看護師、心理士などが在籍していることもあります。そのような専門的な知識を持つ産業保健スタッフと人事総務部門のスタッフなどが連携して、効果的なセルフケアとラインケアが実施できるよう、企業内のメンタルヘルス対策の企画立案や推進などを行います。
・事業場外資源によるケア
メンタルヘルスケアには専門知識が必要なため、専門的な機関のアドバイスやサポートを取り入れたほうが安全かつ効果的です。産業医にもそれぞれ専門があるためメンタルへルス領域の対応ができないという場合があります。事業場内の産業保健スタッフと外部の専門機関の協力体制を取ることで、より効果的な施策を実施することが可能になります。
事業場外資源によるケアには以下の種類があります。
・従業員支援プログラム(EAP)
・労災病院・診療所
・都道府県産業保健推進センター
・地域産業保健センター、ほか
ストレス社会と言われる現代において、しっかりとメンタルヘルス対策を行っていく企業こそが、競争力を高め業績を上げていく可能性が高いと言えます。人事担当者は「従業員個人を支援する=企業の生産性や価値を向上させる」というメンタルヘルスケアの重要性を理解し、4つのケアを念頭においた活動計画の立案と実行を目指していきましょう。