OJTとは
OJTとはOn The Job Trainingの略で、先輩社員が主に新入社員に対して、実際に現場で業務を行いながら知識やスキルを教えていく教育研修の一つです。
OJTの目的は、新入社員や異動などで新たに配属された社員を早期に戦力化することです。職務が未経験でも、上司や先輩社員から業務の説明を受け、実際に作業をしてその結果をフィードバックしてもらうことで、効率良くスキルを身につけることができます。
一般にどの業界でも仕事の現場には机上研修では教えることのできない技能やノウハウが存在します。OJTは、実務を進めながら企業内で先輩社員が体得してきた知識、仕事のコツを伝えられるところに意義があります。OJTはノウハウの世代間継承を担っているのです。
OJT実施のメリット
OJTは教える先輩社員の側にも新たな学びがあります。例えば、伝達力やヒアリング力といったコミュニケーション力、論理的思考力が挙げられます。後輩が一日でも早く戦力となれるような適切な指示の出し方、後輩からの質問に対する対応の仕方を考えるなかコミュニケーション能力が向上し、複雑なことをわかりやすく伝える概念化能力が身につきます。
OJT教育担当を一通り経験すれば、普段の業務では得られないコーチングやティーチングの基礎的なスキルを習得できるでしょう。
OJTは中堅の社員が行うことが多いのですが、将来リーダーや管理職のポジションに就くことを踏まえれば、このような指導経験をつませることには大きな意義があります。
指導する側・される側双方にとってメリットのあるOJTですが、人事担当者が適切に面談を設けてOJT進捗を確認したり困っていることなどをヒアリングし、フィードバックすることが必要です。
安易にOJT研修をすればいいということではなく、今一度OJT研修の目的やメリットなどを認識し、自社でのOJT実施や進め方を検討してみてはいかがでしょう。