男性の方に手を添える女性

仕事でのメンタル不調、どうすればいい?原因やセルフケア方法を解説

Facebookでシェア ツイート
「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

ストレスの蓄積などにより、仕事や生活に支障をきたすメンタル不調は、ビジネスにおいて人間関係のトラブルやハードワークが引き金になることが多くあります。メンタル不調を感じたら、休息や気分転換の時間をとり、1人で抱え込まず相談できる人を見つけることが大切です。そこで、メンタル不調の定義や原因、メンタル不調時のセルフケア方法などを紹介します。

誰でも陥る可能性がある、メンタル不調とは

オフィスで頭を抱える男性

「気分が落ち込みやる気が起きない」などと感じる不調は、“心の健康”の不調を意味する「メンタルヘルス不調」として各種サイトや啓発イベント等で発信されています。

厚生労働省の指針によると、メンタル不調の定義として「精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み・不安といった労働者の心身の健康や生活の質に影響を与える可能性がある問題を幅広く含むもの」との記載があります。メンタル不調は時間が経っても自然には改善されにくいため、適切なケアや治療が重要です。

メンタル不調の原因は、外因性と内因性の2つに大きく分けられます。

①外因性:外部から与えられるストレスです。外因性の場合は、ストレス要因から遠ざかることでメンタル不調を軽減できます。

②内因性:自身が感じる不安やストレス。内因性の場合は、その原因を特定し捉え方を変えるよう努めるのが大事です。

さらに、外因性・内因性どちらの場合も、仕事内容や職場環境に関連する「職場要因」と、プライベートの問題に起因する「私的要因」に分けられます。「職場要因」は職場改善活動を通じて、「私的要因」は専門家による治療やカウンセリングを通じて改善が見込めます。

参考:労働者の心の健康保持増進のための指針

職場でメンタル不調に陥る主な原因

ここからは、職場でメンタル不調に陥る原因を詳しく見ていきます。厚生労働省の調査によると、仕事や職場環境で強いストレスを受ける主な原因は、業務量や業務内容、仕事の失敗や責任の発生、人間関係などが大きな割合を占めることがわかっています。自身でメンタル不調に早期に気づき、適切なケアを取り入れるためにも、まずは、原因となりやすい事象について詳しく把握しておくことが大切です。

参考:令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

過多な業務量や仕事内容の不一致

デスクの上に山積みになった書類

キャパシティオーバーになるほどの仕事を抱えたり、残業などで長時間労働が続いたりすれば、肉体や心身の疲労が積み重なりメンタル面にも不調をきたします。

他にも業務内容が自分の能力をはるかに超えている、自分の強みを活かせる仕事内容ではない、など自分の能力不足や役割不足を実感すると、マイナス思考になりやすく、メンタル不調に陥るきっかけとなります。

職場の人間関係

オフィスで討論する男性

同僚との性格の不一致やコミュニケーション不足など、職場での人間関係がメンタル不調の原因となるケースも珍しくありません。さらに周りの人に仕事の悩みを相談しにくい状況だと、よりストレスを抱え込みやすくなります。

職場におけるハラスメント

周囲から強く叱責させる男性

職場でのさまざまハラスメントも、メンタル不調に陥る大きな原因です。厚生労働省の調査により、パワハラやセクハラなどのハラスメントを受けて、「仕事に対する意欲が減退した」「眠れなくなった」「会社を休むことが増えた」など、心身への影響を感じている人が多くいることがわかっています。

参考:令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書

職場のハラスメントの種類や意味については、こちらの記事を参考にしてみてください。

私、メンタル不調かも?疑うべきサインをチェック

チェックリストにチェックを入れる人の手

メンタル不調は、症状や問題が現れてからの対処では、通院等が必要になる場合があります。だからこそ、メンタル不調のサインにいち早く気づくことが大切です。サインは自身の思考や体調、生活習慣などさまざまなシーンで現れます。疲れがたまっただけ…と思っていたら、実はメンタル不調に陥っていたということもあり得ます。このような事態を未然に防ぐためにも、メンタル不調を疑うべきサインを紹介します。

感情・思考面のサイン

まずは、メンタル不調時に感情や考え方に表れる変化をチェックしましょう。

<感情・思考面で気を付けたいサイン>

  • 気分が沈みやすくなる、憂鬱感が続く
  • 不安な気持ちに駆られて落ち着かない
  • 理由もなく涙が出る
  • 何をするにも億劫で元気がない
  • 以前より怒りっぽくなった
  • 何をしても楽しいと感じられない
  • 消えてしまいたいような気持ちになる
  • 誰かが自分の悪口を言っているような気がする
  • どうせ上手くいかないと悪いことばかり考える
  • 自分のせいだと自分を責めがちになる

体調面のサイン

メンタル不調時には、体調面にも変化が現れることがあります。

<体調面で気を付けたいサイン>

  • なかなか寝付けない、ぐっすり眠れない、反対に寝過ぎてしまう
  • 食欲がない、食事をおいしく感じない、反対に食べ過ぎてしまう
  • 肩こりや頭痛が続く、疲労感がとれない
  • 胸がどきどきして息苦しく感じることがある
  • 体がだるく、やる気が起きない
  • お腹の調子が悪く、便秘や下痢が続く

生活面のサイン

最近思うように体が動かない…と思ったら、メンタル不調のサインかもしれません。

<生活面で気を付けたいサイン>

  • 睡眠リズムや生活リズムが乱れる
  • 家に閉じこもりがちになる
  • 遅刻や欠勤が増える
  • 単純なミスが増える
  • お酒を飲む量や回数が以前より多くなる
  • 身だしなみに気を使えなくなる
  • 浪費しやすくなる

メンタル不調を感じたら、相談窓口や専門医のサポートを受ける

医師に相談する人

メンタル不調を感じた時には、自己判断で放置せず、会社の産業医や社内の相談窓口などに相談するのがおすすめです。社内の人に知られたくない、社外の人に相談してみたいという場合は、医療機関の受診やメンタルヘルス相談機関への相談を検討するのも良いでしょう。自分の心身に苦しさを感じたら、1人で抱え込まないことが大切です。

メンタル不調を予防するためにできること

メンタル不調に陥らないためには、セルフケアを行ったり、定期的に自分の状態を把握したりすることが大切です。セルフケアとは、自身のストレスに対処できるような知識を身につけ実践することです。できることから日常的に意識して、メンタル不調に陥らないための予防を始めましょう。

十分な睡眠を取る

ベッドで眠る男性

なるべく毎日6時間以上睡眠を取り、十分な休息時間を確保しましょう。なかなか寝付けない時は、布団の中で深い呼吸をするだけでもリラックスできて眠りやすくなります。また、寝室で心地良い香りのアロマオイルを炊くのもおすすめです。

反対に眠る前にカフェインを取ったり、パソコンやスマホを触ったりすると、睡眠の質が下がってしまうので控えるようにしてください。

気分転換をする

ジョギングする男女

趣味や娯楽を楽しめば、気分をリフレッシュできます。ジムやジョギングなどの運動、映画鑑賞、カラオケなど自分が行いやすい趣味を探してみましょう。ストレッチや入浴・アロマテラピーなどリラクゼーションタイムを作るのも効果的です。

また、仕事中には気分転換やホッと一息つける時間を意識的に取り入れるのも大切です。深呼吸や軽いストレッチをする、コーヒーやハーブティーなどを飲む、気心知れた同僚と話すなど、自身にとって気持ちが落ち着く、リフレッシュできることを試してみてください。

信頼できる人に相談する​​

カフェで相談するビジネスマン

仕事に関する悩みも、誰かに話すことで気持ちが晴れるかもしれません。同僚や先輩・上司などに相談すれば、自分が気づかなかった視点で物事を考えられ、悩みが解消される場合もあります。職場の人に限らず、家族や友人などに話を聞いてもらうのも良いでしょう。

セルフケアの方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

メンタル不調を感じたら、適切にケアをしよう

男性の手に手を添える女性

メンタル不調は、日々仕事に追われていると、どんな人でも陥る可能性があります。メンタル不調のサインに気づいたら、まずは自分を労ることが大切です。辛い時は1人で抱え込まずに、周囲の人にも相談すると良いでしょう。職場の人などに打ち明けづらい場合は、専門の機関や医療機関を受診することも1つの方法です。まずは自分のメンタル状態を把握し、できることから自分をケアしていきましょう。

社員研修プログラム

アドバンテッジリスクマネジメントでは、従業員が困難な状況から改善行動を起こせるようになるためのスキルや考え方などを学ぶ、様々な研修プログラムを扱っています。レジリエンスを高めることにもつながる研修もご用意しておりますので、ぜひお問い合わせください。

(Visited 39,302 times, 29 visits today)

【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

この著者の記事一覧

Facebookでシェア ツイート

関連記事RELATED POSTSすべて見る>>